ワインの健康効果について語る際、欠かすことができない成分が「ポリフェノール」。
とくに赤ワインに豊富に含まれていることから、健康効果を期待するなら毎日赤ワインを飲もう…という話まであるようです。
今回、ここではポリフェノールとは何か、その基礎知識についてお伝えしています。
ポリフェノールとは?
そもそもポリフェノールとは何なのでしょうか。
ポリフェノールとは、分子内に数個以上のフェノール性水酸基を持っている植物成分の総称と定義されている成分で、植物が外敵などから身を守るためにつくられている物質と考えられています。
ポリフェノールは、色素の成分であったり渋みや苦味感じさせる成分としてらており、ワインでいう「タンニン」もポリフェノールの一種。
ワインが苦かったり赤色になったりするのは、ブドウが生成するポリフェノールが関連しているのです。
赤ワインにポリフェノールが多い理由
ポリフェノールは人間の体に吸収されやすいとされています。
詳しくは後述しますが、老化の要因とも言われる酸化から体を守ってくれる抗酸化作用が期待されているため、ポリフェノールが豊富なワインはとくに健康効果が高いと古くから期待されているようです。
しかし、ポリフェノールが関連する健康効果を期待する際、白ワインより赤ワインの摂取がすすめられています。
ポリフェノールはブドウの果皮や種子に多く含まれており、赤ワインの場合はそれらを果汁と一緒に長時間醸してからアルコール発酵されるのが一般的です。
一方の多くの白ワインは、果皮と種子を取り除いた果汁のみでアルコール発酵が進められることがほとんであるため、圧倒的に赤ワインの方がポリフェノール含有量が多いということになります。
結果、ポリフェノールを多く摂取するなら赤ワインとなるわけです。
ポリフェノールの種類
ワインを勉強されている方であれば、ポリフェノールと聞いて「タンニン」と「アントシアニン」という言葉を思い出すかもしれません。
たしかにこれらもポリフェノールの一種ですが、ポリフェノール自体は数千種類存在しており、ワイン中にもさまざまな種類のポリフェノール類がふくまれています。
フラボノールやフラバノール、プロアントシアニン、エラグタンニン…など、数えていけば相当な数だそうです。
とはいえ、やはりワインで重要なポリフェノールはタンニンやアントシアニンでしょう。
タンニンはワインにおける渋み(収斂性)に関与したり抗酸化作用に関連し、アントシアニンはワインの色合いに影響を与えます。
例えば、熟成によって赤ワインがレンガ色になり味わいに丸みが出てくる理由は、アントシアニン量減少し赤色が薄くなっていったとか、タンニンがワイン中のほか成分と結合して沈殿したり苦味を呈しないような形になっていくとか、そういった作用があるからです。
ちなみに健康効果に関しては、タンニンが関連しているといわれていますが、近年それ以上に「レスベラトロール」でしょう。
「レスベラトロール」とは、一体どんなポリフェノールなのか解説していきます。
レスベラトロールとは?
レスベラトロールとは、ポリフェノールの一種で黒ブドウの果皮に多く含まれていることで知られている成分です。
先にお伝えしたようにレスベラトロールも厳しい環境から身を守るためにブドウ自らが作り出す成分と考えられていますが、その健康効果が近年注目されています。
レスベラトロールの健康効果
レスベラトロールには、抗酸化作用や抗糖化作用のほか、長寿遺伝子と呼ばれる抗老化遺伝子のSirt1が活性化による内蔵脂肪蓄積抑制効果が期待されています。
カロリーの摂取を抑制することで寿命が伸びる…という報告があるように、食事と共にレスベラトロールを摂取できる赤ワインは健康効果を期待する上で優れたお酒であると考えられるでしょう。
ほか、ダークチョコレートやイタドリティー、黒ブドウ自体にも含まれているのですが、やはり赤ワイン(とくにピノ・ノワール)に多く含まれているのだとか。
さらに、加熱調理してもレスベラトロールは変化しにくく、赤ワインを利用した料理を食べるという方法でもよいといわれています。
もちろん、飲み過ぎ食べ過ぎは別の要因になりますが、レスベラトロールを適正飲酒&腹八分目で摂取するのであれば、今後の食生活にも良い影響を与えるかもしれませんね。
適正飲酒で楽しいワインライフ!
ポリフェノールの基礎的な知識について、簡単にお伝えしてきました。
数多くの研究が報告しているワインの健康効果は、ポリフェノールによるものが少なくありません。
ちなみに、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなど、ブドウによってポリフェノール含有量が変わってくるので気になる方は調べてみてもよいでしょう。
適正飲酒で健康で楽しいワインライフ。
ぜひ、参考にしてみてください。