ワインには、ワインエキスパートやソムリエ、ワインコーディネーターなど、さまざまな資格が用意されています。プロとしてワインを学びたい方はもちろん、趣味としてワインを極めたい方まで、幅広い層の方がワインの資格に挑戦可能です。
ここでは、ワインの資格の種類や勉強法、スクールの費用感などについてまとめています。今後、ワインの資格に挑戦しようと考えてる方はぜひ参考にしてみてください。
ワインの資格の種類
ワインの資格というと、「ソムリエ試験」というイメージがないでしょうか。漫画やドラマ、映画などの影響はもちろん、“ソムリエのいるお店”というようなキャッチコピーを使っている飲食店も多いことからイメージがついたのかもしれません。
しかし、冒頭でお伝えした通りワイン関連の資格は数多く存在しており、“ソムリエ試験”だけではないのです。ここでは、ワインに関連する資格をその特徴を含めて紹介していきます。
・一般社団法人 日本ソムリエ協会(J.S.A)の資格試験
日本におけるワイン関連の資格の多くが、一般社団法人 日本ソムリエ協会(J.S.A)が主催しているものになります。ワイン愛好家向けのものからプロ向けのものまで、幅広く揃えられているので自分のレベルに合ったものを選びましょう。一般社団法人 日本ソムリエ協会(J.S.A)が主催しているワイン関連の資格がこちらです。
・ワインエキスパート
ワイン愛好家向けのワイン資格。20歳以上であれば誰でも受験可能で一次試験時期は8月頃で二次試験は10月頃。一次試験は筆記、二次試験はテイスティングとなります。受験料は17,210円~(協会会員か否かにより変動)。
・ソムリエ
ワインのプロ向けの資格。20歳以上でアルコール関連業界での職務経験が3年以上必要。勤務証明の提出が求められます。一次試験時期は8月頃で二次試験は10月頃。一次試験は筆記、二次試験はテイスティング。さらに、サービス実技を行う三次試験もあります。受験料は17,210円~。(協会会員か否かにより変動)
そのほか、さらに上のレベルのワイン資格試験として、「ソムリエ・エクセレンス」、「ワインエキスパート・エクセレンス」などがあります。
・ワイン検定
一般社団法人 日本ソムリエ協会が主催しているほかの資格試験に、「ワイン検定」というものがあります。「J.S.A.ワインエキスパート」の有資格者が講師を担当し、ワインライフをより豊かするためのベーシックな内容の検定試験となります。
ブロンズクラスとシルバークラスが用意されており、20歳以上であれば誰でも受験可能。試験時期は年3回程度。ブロンズクラスが11,000円、シルバークラスが15,000円となっています。シルバークラスは、ブロンズクラス合格者であることが受験条件です。
・全日本ソムリエ連盟(ANSA)の資格試験
全日本ソムリエ連盟(ANSA)が主催する「ワイン検定」は、消費者がワインの知識を学び、ワインライフをより豊かにすることを目的とした資格試験。
3級・2級・1級と用意されており、20歳以上であれば誰でも受験可能です。(1級のみ、2級合格者であることが受験条件)試験時期は会場によってほぼ毎日開催されており、費用も1級が4,700円、2級が4,200円、3級が3,650円とリーズナブルです。
・そのほかの資格試験
全日本ソムリエ連盟(ANSA)では、ほかに「ワインコーディネーター」や「ソムリエ」といった資格試験が用意されています。ワイン検定より深い知識を学ぶことができ、受験資格も20歳以上であれば誰でも可能。受験料は47,200円~(学習方法により変動)試験は、会場によってほぼ毎月開催しています。
・WSET(Wine & Spirit Education Trust)
ロンドンに本部が位置するワイン教育機関、WSET。
認定資格は、Level1~Level4にわけられており、これらを合格した後にDiplomaを取得することが可能です。ワインサービスや基礎知識というよりは、ワインを「学問」としてとらえたレベルの高い資格試験であり、世界中で開催されていることからLevel4では英語での受験となります。
最もレベルの高いマスターオブワインの称号は、世界一の資格ともいわれておりハイレベルな資格試験といっても過言ではないでしょう。受験資格は各レベルの講座を受講していること。
受験料は、Level1が31,320円、Level2が85,400円、Level3が174,420円、Level4が177,120円。
試験時期は、4月と10月の年二回とされています。
資格の勉強法は?
ワインの資格試験にチャレンジしようと思っている方の中には、「どうやって勉強すればいいのか?」という悩みを抱えている方もいるでしょう。ワインにはさまざまな資格試験がありますが、独学の方が良いのか、ワインスクールに通った方がよいのか考えてしまうところです。ここからは、独学とスクールの違いを簡単に解説しましょう。
・独学のメリット
ワインの資格試験を独学で学ぶメリットは、自分のペースで進めることができる。自分のやり方で資格試験にチャレンジできるところです。どの資格も基本的にはテキストなどが用意されており、そこからの出題となります。
満点を取得する必要はないため、苦手なところは捨て、得点がとれる項目を重点的に勉強するなど自由に勉強法をアレンジすることができるのはメリットでしょう。
今はウェブ動画などで格安、または無料でワインが学べたりするのも魅力。
また、費用も抑えられるところもポイントです。
・独学のデメリット
独学のデメリットは、モチベーションの維持が難しいところ、理解ができないまま進んでしまうところ、学習方法がわからないところなどでしょう。
テキストや問題集だけを丸暗記する方法になってしまうと、資格試験が終わってしまっても身にならない可能性もあります。
さらに、二次試験でワインテイスティングの勉強をする際、さまざまなワインを購入する費用もかさんでしまいます。
・ワインスクールに通うメリット
ワインスクールに通うメリットは、合格を目指すためのカリキュラムを構成してくれているので、それについていけば合格が目指せるというところです。
また、同じ資格試験に向かう仲間やライバルがいるためモチベーションの維持にも役立つでしょう。
二次試験対策なども、少量のワインやリキュールを試験対策的に飲むことができるので安心。講師によっては、出題傾向や独自の問題集などを作成してくれるので合格に向けて背水の陣で臨めるところも魅力です。
・ワインスクールに通うデメリット
ワインスクールに通うデメリットは、費用がかかってしまうというところでしょう。場所にもよりますが10万円以上のところが多く、さらに二次試験対策は別料金で支払うことになるところがほとんどです。
また、合格に向けて勉強しやすい環境ですが落ちることもあります。結果的に二回受験対策コースを受けることになる可能性もゼロではありません。
もちろん、自分のペースで学習できるわけでないため講師の方針と自分のやり方が合わないというミスマッチが起こることもあるでしょう。
自分に合った勉強法は自分で見つけたい、という方は独学で学んだ方がよさそうです。
独学もワインスクールも、双方に一長一短な部分があります。
自分に合った勉強方法を見つけてみましょう。
資格取得後にどのような仕事に就けるか?
ワインの資格を取得した後、仕事にいかしたいという方もいるでしょう。
例えば、ソムリエ資格などを取得した場合、ワインショップのスタッフ、レストランのソムリエ、ワインスクールの講師などの仕事に就きやすくなるでしょう。
また、インポーターなどのワイン輸入会社やワイン関連の事業を行っている企業などでの就職がしやすくなる可能性もあります。ただし、職種の内容によっては実務経験が求められることもあるので注意が必要です。
また、趣味でワインエキスパートなどを取得した方。そんな方は個人的にワイン教室を開催したり、オンラインサロンでワインを教えるなど、個人でも幅広く資格を活用することができる可能性があります。
せっかくのワイン資格です。上手に活用してみましょう。
ワイン資格で知識を深めよう
ワインの資格の資格試験合格に向けて努力することは大切です。しかし、ワインについて学ぶこと自体がご自身のワインライフを充実させる糧となるはずです。ワインの資格に興味を持った方は、ぜひ今記事を参考に自分に合った資格試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。