フィネスの高いワインを生み出すテート・ド・キュヴェ!シャンパーニュの哲学とは?

勝利のシャンパーニュ「ヴィクトワール」。

TYC WIne Clubが一押ししている、注目のシャンパーニュです。

以前、同ブランドの、〈ブリュットNV〉、〈ロゼ・ブリュットNV〉、〈ブラン・ド・ブランNV〉はテート・ド・キュヴェのみで造られている特別なシャンパーニュである…ということをお伝えしました。

テート・ド・キュヴェのみで造られるヴィクトワールのワインとは!?なぜ贅沢なのか!?

今回、テート・ド・キュヴェがなぜ特別なのか。

それを深堀りしてみたいと思います。

一番搾り果汁

テート・ド・キュヴェとは、シャンパーニュ地方の伝統的な圧搾の基本単位4,000kgから一番始めに圧搾して得られた2,050ℓの果汁のこと。

俗にいう、“一番搾り果汁”のことです。

二回目に行われる圧搾により得られる500ℓはプルミエール・タイユと呼ばれており、二番搾り果汁と呼ばれます。

我々日本人は、“一番搾り”というキーワードに特別な感情を抱く傾向がありますが、なぜテート・ド・キュヴェが特別なのでしょうか。

じつは、品質はもちろんシャンパーニュの哲学にも関係しているからなのです。

酸と糖分のバランスを大切にする

シャンパーニュでは、テート・ド・キュヴェの特徴を「酸度の高い、さわやかで若々しいアロマを持っている果汁」といったニュアンスで表現しています。

一方のタイユは、「テート・ド・キュヴェに比べてよりフルーティーであり、タンニンが強くなる」と表現しているようです。

“二つをブレンドすればちょうど良い果汁になるのに…”と思った方もいるでしょう。

しかし、「シャンパーニュに強い果実感はいらない」と考えられており、糖分と酸味成分を繊細に抽出することが重要なのだそうです。

ブドウの中間部が重要

では、シャンパーニュではブドウからどのように果汁を抽出しているのでしょうか。

ブドウ果粒の部位をざっくりと分けると、果皮、果皮内部、中間部、種子周辺部にわけることができます。

一般的なワイン造りを考えると、果皮内部は色素やミネラル成分、アロマ関連物質など重要なファクターが多く存在している部位です。

果皮にも香り成分が抱合されていたり、種子やタンニンを含むため赤いワイン造りには重要な要素といえるでしょう。

さて、シャンパーニュで大切にされているブドウの部位。

なんと中間部なのです。

中間部は、糖分と酸味成分がタンニンやミネラル成分はぐっと少なくなります。大切な部位ではありますが、ほかの部位に比べると重要度が低いような気もします。

前述したように、「シャンパーニュに強い果実感はいらない」という哲学があるため、果皮内部の果実感をできるだけ抽出させず、中間部の糖分と酸味成分をバランスよく抽出することに力を注いでいるのだそうです。

大切なことは果実感ではない…。

深いですね。

テート・ド・キュヴェのエレガントさは逸品

さて、この丁寧かつ繊細な抽出で得られる果汁こそが、テート・ド・キュヴェです。

ワイン醸造においてテート・ド・キュヴェはタイユと比較して、“酸度が高く、香味もシャープ。フィネスの高いワインを得ることができる”と称されています。

一方のタイユは酸度が低くなる一方、ミネラル成分の濃度が高まり、果実感が高くフルーティーさが強いワインに。

当然、酸度が高ければpHが低く長期熟成に耐えることから、特別なシャンパーニュにはテート・ド・キュヴェしか使われていないのです。

なぜ、ヴィクトワールの〈ブリュットNV〉、〈ロゼ・ブリュットNV〉、〈ブラン・ド・ブランNV〉は高品質でエレガントな仕上がりなのか。

その秘密のひとつが、“テート・ド・キュヴェのみ”で造られているからなのです。

ヴィクトワールでシャンパーニュの真髄を味わう

産地、品種、熟成期間。

シャンパーニュが語られるとき、こういった部分が多いかもしれません。

しかし、“圧搾”もシャンパーニュメーカーが大切にしている部分でもあります。

高い技術で搾られたテート・ド・キュヴェ。

その味わいを、ヴィクトワールの〈ブリュットNV〉、〈ロゼ・ブリュットNV〉、〈ブラン・ド・ブランNV〉で楽しんでみてはいかがでしょうか?

VICTOIRE ブリュット

 

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