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多種多様なワイン産地がある!ポルトガルワインの主要産地とは?

日本でも徐々に認知度が高まりだしているポルトガルワイン。

ポートワインとマディラがあることから酒精強化ワイン生産国といったイメージが強いですが、一般的なスティルワインやスパークリングワインなど多種多様なワインを生産するワイン大国です。

ここでは、ポルトガルワインの基本や主な産地についてお伝えしていきます。

ぜひ確認してみてください。

ポルトガルの主要品種

250種を超えるといわれる固有品種を持つポルトガル。

それに加えて国際品種も多数栽培されていることから、そのワインの種類も豊富です。

ここではポルトガルにおける知っておくべき基本的なブドウ品種だけをお伝えします。

・アルヴァニーリョ

日本でも近年人気が高まり出しているポルトガルの白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」にも使われている白ブドウ品種、アルヴァニーリョ。

スペインのガリシア州におけるアルバリーニョと同品種であり、ポルトガルでも高級品種として扱われています。

熟成も可能な白ワインを生み出すことでも有名です。

・ティンタ・ロリス

やわらかな酒質のワインを生み出すポルトガルの主要黒ブドウ品種のひとつが、ティンタ・ロリス。

ポルトガルの赤ワインでも多く見かける品種ですが、スペインの主要品種である天ぷらニーリョと同じ品種です。

・トウリガ・ナショラル

ポルトガルきっての赤ワイン産地、ドウロ、ダンの主要品種がトウリガ・ナショラルです。

しっかりとした濃い外観のワインを生み出し、タンニンも充実していることから主にフルボディの赤ワインが生み出されているようです。

ワインの品質分類

ポルトガルは独自のワイン文化を育んできた歴史あるワイン生産国ですが、1986年のEU加盟による今までのワイン法を一新。

2008年のEUワイン法の改定に合わせて法整備がおこなわれました。

ポルトガルにおけるワインの品質分類を簡単にまとめるとこのようになります。

  • D.O.P→原産地呼称保護(D.O.C.表記も認められる)
  • I.G.P→地理的表示保護(Vinho Regionalの表記も認められる)
  • Vinho→地理的表示無しワイン

今後ポルトガルワインを購入する際、これらを参考にするとよいのではないでしょうか。

ポルトガルの主要産地

ここからはポルトガルの主要産地についてお伝えします。

耳慣れない産地もあるかもしれませんが、基本として覚えておくと今後便利でしょう。

ミーニョ

ポルトガルの北西部に位置するワイン産地。

ミーニョ側一帯に広がるワイン産地で、「ヴィーニョ・ヴェルデ」有する一大産地です。

白ワインの生産が多いですが、赤ワイン・ロゼワインなど有名な産地もあります。

9つのサブリージョンが存在しており、各々に気候条件などが違うため多種多様なスタイルのワインを楽しめることでも有名です。

トランスモンターノ

スペイン国境に広がる産地で、「山の後ろ」を意味する言葉がその名の由来とされています。

厳しい大陸性気候で土壌組成は片岩や花崗岩、石灰岩など。

「トラス・オス・モンテス」が有名なDOCとされています。

デュリエンセ

酒精強化ワインの産地として知られている場所ですが、「ドウロ」が一躍有名になったことから一般的なワインの名産地としても知られるようなった場所です。

ドウロ川やコルゴ川、ピニャオ川など数多くの支流と渓谷があることで有名で、ワイン産地としては大変恵まれた環境だといわれています。

ポート、ドウロなどがとくに有名なDOCです。

テラス・デ・システル

シトー派の地といった意味を持つワイン産地。

冷涼な地域として知られており、主要DOCの「タヴォラ・ヴァローザ」はポルトガルで初めてスパークリングワイン産地として制定されたものとして有名です。

スティルワインも製造されているようですが、地元でほぼ消費されてしまい国外などには出回る数はほとんどないといわれています。

テラス・ド・ダォン

段々畑と石垣で囲まれた伝統的なブドウ栽培地が存在する、世界遺産として保護された場所のあるワイン産地。

政府介入により品質低下の過去がありましたが、EU加盟後はワイン産地が見直され、注目されているシングルエステートより数多くの高品質ワインが造られるようになりました。

「ダォン」と「ラフォインス」が主要なDOCワインとして有名です。

ベイラ・アトランティコ

古い歴史を持つ有名大学コインブラ大学が位置する産地。

テラス・ド・ダォンと大西洋の海岸に位置していることから海洋性気候となり、多くのブドウ畑は平地です。

バガ種と呼ばれる黒ブドウから造られるDOCワイン「バイラーダ」は、ネッビオーロに例えられることもある赤ワインを生み出すことでも知られています。

テラス・ダ・ベイラ

ポルトガル本土でも最高峰の標高を誇るストレーラ山脈の影響を受けるワイン産地。

昼夜の温暖差が激しい上に標高700mを超える花崗岩の土壌組成など、この土地ならではのスタイルのワインが生み出されることでも有名です。

主要DOCは、「ベイラ・イテリオール」というワインで、赤白はもちろん、ロゼやスパークリングワインなども造られています。

リスボン

世界遺産を有する世界的観光地、リスボン。

数多くのDOCを抱えるポルトガルきってのワイン産地でもあります。

高級ワインから日常的に楽しめるワインまでそのスタイルは多種多様であり、主要DOCワインの数もポルトガル随一の多さ。

「アレンケール」や「アルーダ」、「ブセーラス」といった世界的にも知られるDOCをはじめ、「カルカヴェロス」といった甘口の酒精強化ワインも有名です。

テージョ

テージョ川流域に広がる、高品質なワインを生み出す産地として知られている場所です。

砂質土壌のシャルネッカ、粘土質と石灰質土壌を主体とするバイロと呼ばれる二つのエリアにとくにブドウ畑が集中しています。

アラゴネスやフェルナン・ピレス、カステラォンといったブドウ品種をはじめ、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際品種まで多種多様なブドウが栽培されているところも特徴です。

ペニンシュラ・デ・セトゥーバル

ポルトガル第4の都市であるセトゥーバルを有するワイン産地。

アラビーダ山に位置しているブドウ畑は海に近く標高が高いといった条件から冷涼であり、石灰質土壌といった特徴から高品質なワインが生産されています。

主要DOCである「セトゥーバル」の中には、モスカテル・デ・セトゥーバルと呼ばれるマスカット・オブ・アレキサンドリアかモスカテル・ロッショを67%以上使用するリッチな酒精強化ワインもあり人気です。

アレンテジャーノ

ポルトガル南部の広大なワイン産地。

世界有数のコルク産地としても知られており、さまざまな作物が栽培されていることでも有名な場所です。

優れた赤ワイン産地としても知られており、「アレンテージョ」が主要DOC。

北部と何部により、ややスタイルの違うワインが生産されています。

アルガルヴェ

ゴルフ場やリゾートホテルが多い産地であり、品質を求めるプライベートワイナリーが数多く点在することで知られています。

温暖な地中海性気候であり、土壌組成も多種多様。

「ラゴス」、「ポルティマン」、「ラゴア」、「タヴィラ」といった4つのDOCが存在しています。

テラス・マデイレンセス

かの有名なDOC「マディラ」の生産地です。

マディラ島の切り立った海岸線を段々畑として開墾しブドウを栽培。

そのほとんどは酒精強化ワインとして生産されていますが、一部酒精強化していないワインも生産されています。

カンテイロやエストゥファといった、独特の過熱熟成の製法から高品質な酒精強化ワインが生み出されています。

アソーレス

リスボンから西へ1,500km行ったあたりに位置する群島。

9つある群島の中の3つの島から造られるワインが、DOCワインとして認定されています。

火山岩を主体とした土壌組成であり、その多くは酒精強化ワインです。

「グラシオーザ」、「ビスコイスト」、「ピコ」といった三つのDOCが主要とされています。

多様性のある注目のワイン産地

ポルトガルワインというと、一部の有名産地やワインばかりがイメージされますが、このように各地でワイン生産がおこなわれています。

気候条件、土壌組成、使用品種なども多種多様であることから、多様性を持つワイン産地であることは間違いないでしょう。

ポルトガル料理専門店やワインにこだわる飲食店、ワインショップにいった際はぜひ産地を参考にさまざまなポルトガルワインを試してみてはいかがでしょうか。