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イタリアは全20州でワインが造られている!?それぞれ特徴を解説!

日本で手に入るカジュアルなワインの多くは、イタリアワインといっても過言ではありません。

イタリアはフランス、スペインと並ぶ世界三大ワイン産地のひとつであり、古い歴史を持つ伝統的なワイン産地です。

日本ではイタリア料理が大変好まれていることからイタリア料理の店舗が多く、ワイン初心者の方も知らぬ間にイタリアワインに慣れ親しんでいるはず。

つまり、イタリアワインの知識が少しだけあれば、さらにイタリア料理を楽しめるとも考えられます。

ここでは、イタリアのワイン産地について簡単に解説していきましょう。

全州でワインが造られている

イタリアワインの特徴は、全20州でワインが造られているところです。

そのため多種多様なワインスタイルが存在しており、なかなかその実態を掴むのが難しいとされています。

とはいえ、ざっくりとでも各州の特徴は知ることでイタリアワイン選びがラクになるのは間違いありません。

早速、イタリアの全20州のワインの特徴を簡単に解説していきましょう。

ヴァッレ・ダオスタ州

イタリア北西部に位置しているワイン産地が、ヴァッレ・ダオスタ州。

イタリア国内ではワイン生産量が少ないことから、日本でもなかなか手に入れることができないワインで知られています。

冷涼な産地ですので、クリーンでシャープな味わいのワインが多い傾向にあります。

リグーリア州

イタリア最大の港町ジェノヴァを有する、リグーリア州。

こちらの州もワイン生産量が少なく国外ではあまり知られていませんが、品質の高いクリーンなワインを生産していることで知られています。

国外への出荷が少ないといわれているので出会う回数が少ないかもしれませんが、出会ったらぜひチェックしておきたいワインです。

トレンティーノ・アルト・アディジェ州

イタリア最北部の産地として知られている、トレンティーノ・アルト・アディジェ州。

白ワインで有名な産地であり、オーガニックワインの生産でも有名です。

ピエモンテ州

イタリアきっての高級ワイン産地のひとつ、ピエモンテ州。

赤ワインの生産数が多いことで知られており、世界的にも有名な「バローロ」、「バルバレスコ」を生産しています。

主に単一品種でワインが造られていることが多く、ブルゴーニュのようなドメーヌスタイルの生産者が多いことでも有名。

長期熟成に耐える高級な赤ワインや白ワインだけでなく、近年はバルベラやドルチェットといったカジュアルな赤ワインにも人気が高まっています。

ロンバルディア州

州都ミラノで知られるロンバルディア州。

高級スパークリングワインであるフランチャコルタ、甘口ワインのモスカート・ディ・スカンツォ、ヴァルッテリーナ・スペリオーレなどを生産しています。

とくにフランチャコルタは世界的にも大変有名な高級スパークリングワインであり、シャンパーニュにひけを取らぬ品質と絶賛されています。

ヴェネト州

水の都で知られるヴェネツィアが州都である、ヴェネト州。

観光地としても大変有名な産地ですが、ワイン生産量もイタリア最大とされています。

赤ワインのヴァルポリチェッラ、バルドリーノ、白ワインのソアーヴェなどが有名です。

陰干しにより糖度を高めたブドウから造る、「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ」は、イタリアきっての高級ワインであり大変官能的な味わい。

また、グラッパ生産も盛んです。

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州

イタリアの東北部に位置するワイン産地、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州。

白ワインの生産量が多いことで知られていますが、古くからオレンジワインを生産していることでも知られている産地です。

日本国内でもピュアな白ワインやオレンジワインがブームになっており、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のワインを多く見かけることができます。

料理にこだわる飲食店では、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のワインと出会えるかもしれません。

エミリア・ロマーニャ州

日本でも有名なパルマの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノなどが生産されているエミリア・ロマーニャ州。

肥沃な土地であることを利用した、赤の微発泡ワイン「ランブルスコ」の産地としても知られています。

サンジョ・ヴェーゼやとレッビアーノなど、中部イタリアの主要品種から高品質ワインが多く生産されている重要産地です。

トスカーナ州

フィレンツェを州都に持つイタリア最大規模のワイン産地、トスカーナ州。

ピエモンテ州と並ぶ高級ワイン産地としても知られており、「キャンティ」「キャンティ・クラシコ」、「ブルネロ・ディ・モンテプルチアーノ」といった赤ワインは世界的によく知られています。

ピエモンテ州の単一品種が中心のワイン造りとは違い、トスカーナ州はサンジョヴェーゼ主体のブレンドスタイルのワイン造りが中心的です。

中には、スーパータスカンと呼ばれる国際品種を利用した新しい高級ワインなどもあり、常にワイン業界からは注目されています。

日本のスーパーやコンビニでも売られているので、出会うことが多いでしょう。

マルケ州

イタリア半島中部に位置する、マルケ州。

比較的日常的に使えるカジュアルなワインが生産されていますが、中でも「アンフォラ型ボトル」が利用されている「ヴェルディッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージ」というワインは高品質なことで知られています。

また、モンテプルチャーノから造られる赤ワインにも定評があります。

ウンブリア州

「イタリアの緑の心臓」とも呼ばれている、ウンブリア州。

海に囲まれておらず、州の7割近くは丘陵地帯であることでも有名です。

サグランティーノ主体のモンテファルコ・サグランティーノという赤ワインやオルヴィエートと呼ばれる白ワインが有名です。

ラツィオ州

イタリアの首都であるローマを有する、ラツィオ州。

イタリアの修道院発祥の地ともいわれており、ワイン造りの歴史が古いことでも知られています。

カジュアルなスタイルのワインが数多く存在しており、ラツィオ州は白ワインの生産が8割を占めているといわれています。

味わいの濃い、明るい気分になれる白ワインを楽しめることでしょう。

モリーゼ州

イタリア20州の中で二番目に小さな州として知られている、モリーゼ州。

さまざまな州に囲まれていることから、各州のワイン造りから影響を受けたワインが多く見受けられます。

国内、州内でのワイン消費が多く、日本ではなかなか出会えませんが、カジュアルで飲みやすいワインが多い印象です。

アブルッツォ州

山岳地帯、丘陵地帯が多いことで知られるワイン産地、アブルッツォ州。

日本のワインショップでも多く見つけることができる、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ、トレッヴィアーノ・ダブルッツォを生産している産地です。

手に届きやすい価格でありながら、品質の高いバランスの取れたワインを楽しむことができるおすすめのワイン産地です。

カンパーニア州

ナポリを州都に持つ南イタリアきってのワイン産地、カンパーニア州。

イタリアきっての観光地であることから、世界中の人たちがカンパーニア州のワインを楽しみます。

アリアニコから造られる赤ワイン「タウラージ」をはじめ、辛口白ワイン、スプマンテなど陽気な印象を感じられるワインが多く生産されています。

ミディアムボディからフルボディタイプのワインが多いものの、味わいは繊細かつ複雑で飲み応えのあるものばかり。

日本のイタリア料理店でも、多く出会うことができるでしょう。

プーリア州

イタリアでもっとも東側に位置している、プーリア州。

日本ではあまり知られていませんが、ヴェネト州に匹敵するワイン生産量を誇る一大ワイン産地であり、近年はその品質の高まりが世界的にも注目されています。

アメリカで有名なジンファンデルである、ギリシャ原産のプリミティーヴォから造られる赤ワインがとくに有名であり、高級ワインも数多く存在しています。

バジリカータ州

カンパーニア州、カラブリア州、プーリア州に接したワイン産地、バジリカータ州。

世界遺産である「マテーラの洞窟住居群」で有名ですが、ワイン生産はそこまで多いわけではありません。

日本ではあまり知られていないもののその品質は高く、アリアニコから造られる「アリアニコ デル ヴルトゥレ」という赤ワインが有名です。

品質の高いワイン造りが近年目指されているので、今後注目のワイン産地といえるでしょう。

シチリア州

地中海最大にして一大観光地のひとつ島、シチリア州。

エトナ火山が有名で、酒精強化マルサラを生産していることでも知られています。

カラブレーゼ主体のワイン、エトナ火山近辺で造られているワイン「エトナ」、果実の濃い白ワインなど世界的にも注目されているワイン産地。

パンテッレリア島で造られている甘口ワインも有名です。

シチリア料理は日本でも人気があり、シチリアのワインは多く出会うことができるでしょう。

サルデーニャ州

コルスの南の島、サルデーニャ州。

リゾート地としても有名な島ですが、豊富な食材と高品質なワインが多く生産されていることでも知られています。

ヴェルメンティーノから造られる、「ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ」がとくに有名です。

カラスミ、コルクの生産地としても有名です。

イタリアワインは知っておくと便利!

イタリアワインには、高級ワインも数多く存在していますがフランスのボルドーやブルゴーニュといった価格帯ではなく、比較的手に取りやすいものが多い傾向にあります。

品質も高く、日常使いに最適なワインが数多くあるのでおすすめです。

イタリアワインと大きなくくりではなく、各州の特徴を知った上で選ぶだけでワインライフが豊になることは間違いありません。

ぜひ、これを機会にイタリアのワインをチェックしてみてください。