普段ワインとペアリングさせない食材であっても、工夫次第で良い組み合わせになることがあります。
本当にちょっとしたコツでワインと食材の相性が良くなるのですから、知っておいて損はないでしょう。
ここでは、自宅で簡単にできるワインと食材を合わせるコツについてお伝えしていきます。
ヨーグルトを利用する
塩辛やニシンなどの魚の酢漬けなどはワインと合いそうなイメージがありません。
酢臭さや生臭さが強い食材であるこれらをワインに合わせる場合、“ヨーグルトやサワークリーム”を利用すると良いといわれています。
塩辛にヨーグルトやサワークリームというのは微妙かもしれませんが、生臭みが乳製品特有のまろやかさに消されるためワインとの相性が良くなります。(納豆でもイケるとの話)
また、魚の酢漬けも乳製品によって酸味が和らぎ、味わいにとげとげしさが無くなるため、ワインとぶつからなくなるのです。
ぜひ、お試しください。
青魚とワイン
イワシやアジ、サンマ、サバなどをワインに合わせることは少なくありませんが、これらを和風に調理するとややその相性が崩れてしまう印象です。
これらをワインに合わせたい場合、オリーブオイルをベースにした料理にするとワインとの相性が良くなります。
刺身であればオリーブオイルとハーブでマリネしたり、火を入れたものであればオリーブオイルを使ってフライにするとワインとの親和性が高まるでしょう。
白ワインと合わせる場合、レモンなどの柑橘をかけてもいいですね。
ちなみに、イワシの塩焼きなどはシェリーとよく合います。
日本ワインであれば和風の食事とも相性がよいですが、こういったコツを利用するとさらに親和性は高まるのでオススメです。
味噌料理
味噌を使った料理とワイン。
イメージが湧かないかもしれませんが、発酵食品同士、意外に相性が良いといわれています。
牛肉のタタキに味噌をつけたり、赤みそを使ったソースとトンカツ、田楽、味噌を利用する牛鍋(横浜牛鍋元祖・太田なわのれん風)などは、赤ワインとの相性が良好です。
魚介よりは強い味わいの肉料理と味噌を合わせたものの方が良く、ワインはカリフォルニア産のカベルネ・ソーヴィニヨンやシラー、プティ・ヴェルドなどがとくにおすすめ。
ただし、関東甲信越や北陸、東北、北海道で使用されている塩分が高いものより、ややまろやかさが強い静岡以南の甘口みその方が合う傾向です。
ウナギや牛煮込み
ワインというよりは、日本酒といった印象のウナギや牛煮込み。
日本人にとって重要な食材や料理ですが、ワインとの相性が良いことでも知られています。
まず、ウナギはタレにポイントがあります。
甘やかな風味や香ばしいスパイシーな香り、やわらかくさっぱりしたウナギの身の風味は赤ワインと相性抜群です。
タレをしっかりとつけて焼きを強くすること、また山椒をかけると白ワインとの相性もよくなるのでお試しください。(白焼きに塩わさびは、ソーヴィニヨン・ブランとの相性が素晴らしくなります)
また、牛すじの煮込みもじっくりと煮込み柔らかくなったものであれば臭みもなく、さらに煮込む際に赤ワインを加えるとワイン寄りの風味に仕上がります。
ネギをたっぷり乗せるなど、薬味にこだわるとワインの風味に合いやすくなることでも知られているのでおすすめです。
天ぷらは塩とレモン
最後に天ぷらとワインのペアリングです。
天ぷらとワインを提供するお店が増えているので定番化しつつありますが、自宅で天ぷらとワインを合わせるコツをお伝えします。
ワインと天ぷらを合わせる場合、できればサクサクした食感に揚げるようにしてください。
ワインはシャンパーニュなどのスパークリングワイン、ミネラル感のあるフレッシュな白ワインがオススメです。(限りではありません)
やや食材の個性が強いものは大根おろしにレモン汁、味わいが繊細な食材なら塩だけで合わせると白ワインの爽やかさと良く合うようになります。
天つゆで食べる際は、やや濃いめのツユであればミディアムボディの赤ワインとも合いますし、天丼にするのであれば赤ワインとより良い相性になるでしょう。
工夫次第でペアリングは楽しめる
普段、ワインとあまり積極的に合わせない食材であっても、やり方次第でワインのおつまみになります。
当然、これら以外にもワインとペアリングを楽しめる意外な食材や料理がたくさんありません。
いろいろ工夫しながら、思わぬペアリングを見つけてみてはいかがでしょうか。
参考
酒とつまみの科学 / 成瀬宇平【著】