新世界ワインの筆頭と呼ばれて久しい、アメリカ。
ワイン造りの歴史も長く、今や世界でも有数のワイン産地として認識されるようになりました。
日本でもアメリカのワインは人気ですが、やはりカリフォルニア州のワインが多く、ワイン初心者の方にとってはアメリカ=カリフォルニア州といった印象になっているかもしれません。
ここではアメリカにおけるワインの主要産地についてお伝えしていきます。
ワインの法律と分類を知ろう
主要産地の紹介をする前に、アメリカにおけるワインの法律と分類について簡単に解説します。
アメリカでは、ワインのラベル表記に関する規定がこのようにまとめられています。
・州名
該当する州内で収穫したブドウを少なくとも75%以上を使用。カリフォルニア州の場合は100%、オレゴン州は全ての産地名について95%以上を使用すること。
・カウンティの表示
該当郡内で収穫したブドウを75%以上使用すること。
・AVAの表示
該当品種を75%以上を使用すること。
・収穫年の表示
AVA表示ワインは95%以上のブドウを使用していること。AVA以外の原産地表記ワインは表示年のブドウを85%以上使用していること。
これらを参考にすると、アメリカ産の各産地のワインを購入しやすくなるでしょう。
アメリカの主要産地
ここからはアメリカにおける主要なワイン産地を紹介していきます。
カリフォルニア州
まず、アメリカワインの主要産地といえばカリフォルニア州。
アメリカ最大のワイン産地であり、海岸沿いは冷涼で内陸部は暑く乾燥しているといった特徴があります。
ブドウ生育期の降雨量が少ないことから健全なブドウが収穫でき、果実味溢れるワインが造られる傾向にあるようです。
赤ワインが比較的多いですが、白ワイン、スパークリングワイン、ロゼワインなど多種多様なスタイルのワインが生み出されています。
世界的に有名な生産者、カルトワインと呼ばれる伝説的な存在のワイナリー、欧州の有名生産者が参入するなど、カリフォルニア州は話題に事欠かさない注目産地です。
カリフォルニア州の主要ワイン産地
・ノース・コースト
メンドシーノ
ソノマ
ナパ
・セントラル・コースト
・シエラ・フットヒルズ
・セントラル・ヴァレー
・サウス・コースト
ワシントン州
ワイン生産量はカリフォルニア州に次ぐという、広大なワイン産地のひとつがワシントン州。
ボルドーとブルゴーニュが同緯度といった特徴があり、さまざまなスタイルのワインが生み出されています。
主要産地であるヤキマ・ヴァレーは、同州で初のAVAとして認定された産地ですが、最大のワイン産地はコロンビア・ヴァレーです。
カスケード山脈の西側に位置しているピュージェット・サウンドと呼ばれるAVAは、冷涼なワイン産地として近年注目されています。
ワシントン州の主要ワイン産地
・コロンビア・ヴァレー
・ヤキマ・ヴァレー
・ワラワラ・ヴァレー
オレゴン州
近年、世界的にも注目されているアメリカのワイン産地がオレゴン州です。
ブドウの生産量はカリフォルニア州とワシントン州に次ぐ量ですが、主要品種がピノ・ノワールやシャルドネなどブルゴーニュ系品種が多いことで知られています。
ダンディー・ヒルズというAVAでウィラメット・ヴァレーで初めてピノ・ノワールが植樹された場所としても知られており、有名生産者が数多く点在。
ブルゴーニュから参入してくる生産者も多く、優れたワインを多く生み出し続けています。
オレゴン州の主要ワイン産地
・ウィラメット・ヴァレー
・アムクワ・ヴァレー
・ローグ・バレー
ニューヨーク州
意外かもしれませんが、ニューヨーク州でもワインが造られています。
ニューヨーク州でワイン造りがはじまったのは17世紀頃といわれており、比較的ワイン造りの歴史が長いことで有名です。
オランダ人がマンハッタン島にブドウを植樹したことが起源とされています。
ニューヨーク州の特徴はアメリカの原産品種やフレンチ・ハイブリッドと呼ばれるフランス品種とアメリカ品種のハイブリッド品種なども栽培されており、ユニークなスタイルのワインが造られています。
ちなみにオンタリオ湖に近いフィンガー・レイクスAVAにワイナリーが集中しています。
ニューヨーク州の主要ワイン産地
・ロングアイランドAVA
・フィンガー・レイクスAVA
カリフォルニア州以外も面白い!
アメリカの主要産地について簡単にお伝えしました。
カリフォルニア州が最大のワイン産地であり、世界に名立たる生産者がほとんどこの州に点在しているため、ほか産地が目立たない部分がありますが、じつは高品質なワインが他州でも多く造られています。
ぜひ、カリフォルニア州だけでなく、アメリカ全体のワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。