わかっているようでわかっていない。それがワインの基本です。
例えば、“赤ワイン”と“白ワイン”の違い。こんなことがわからないはずがない…と思われるかもしれませんが、ブラインドテイスティングすると、どちらかわからなくなる…ということが起こったりするのです。
ここでは、赤ワインと白ワインの違いについて、基本的な知識を得ておきましょう。
色でごまかされている?
タンニンを強く感じるカベルネ・ソーヴィニヨンと樽をしっかりと効かせたナッティーなシャルドネであれば、どちらがどうかわかるかもしれません。
しかし、人間は完全に目隠しをしながらテイスティングすると案外困惑してしまうものなのです。
テレビ朝日系「芸能人格付けチェックBASIC 春の3時間スペシャル」で、赤ワインと白ワインを間違えた一流芸能人がいましたが、私たち人間の脳は視覚の情報を優先するようにできています。
事実、ワインのプロを目指す卵たちを被験者とした実験では、本来は白ワインなのに赤ワインのコメントをしてしまった…というものもあるほどです。
(参考文献) Morrot, G., Brochet, F., & Dubourdieu, D. (2001). The color of odors. Brain and language, 79(2), 309-320.
高級ワインやすすめられたワインを多く飲んでいるからワインがわかっている…といえばいうほど、間違えたら大恥です。赤ワインの特徴、そして白ワインの特徴をまずはしっかりと自分の中に落とし込むことが重要でしょう。
赤ワインの特徴
赤ワインは、黒ブドウから造られているワイン。
一部の赤ワインに白ワイン要素が入っているものもありますが、基本100%黒ブドウから造られています。
赤ワインの最大の特徴は渋み。果皮、種子、果汁を一緒に漬込むことで、タンニンと呼ばれる「渋みの成分」が抽出されるため、強弱あるものの渋みを口内で感じ取ることができるでしょう。(赤色もここで抽出される)
また、赤ワインはチェリーやブラックベリー、ストロベリーなど赤系果実の香りやジャムのような香り、スパイシーなニュアンスが特徴となります、また一部の赤ワインを除き、基本的に樽熟成を経て瓶詰めされるので、樽由来のスパイシーさやスモーキーさ、ほのかなヴァニラを思わせる香りも楽しめるでしょう。
何か特別な加工がなされていない限り、ライチや桃、ライムなどの香りはありません。この特徴をしっかりと押さえておきましょう。
白ワインの特徴
白ワインは、主に白ブドウから造られているワインです。一部、黒ブドウの果皮だけを除いたもので仕込まれますが、基本白ブドウからと覚えておいて問題はないでしょう。
白ワインの特徴は、赤ワインと違って果皮と種子、果汁と一緒に醸さず、果汁だけで仕込まれるところです。(一部を除く)また、ほとんどの白ワインが樽ではなくステンレスタンクで仕込まれるところも特徴でしょう。
そのため、ステンレスタンクで仕込まれることで、エステルと呼ばれる成分が多く生まれフルーティーな香りに仕上がります。品種にもよりますが、柑橘系の香りやパイナップル、マンゴー、白桃などのトロピカルな香り、白い花といった華やかで心地良い香りに。
また、果皮や種子が取り除かれて醸造されることから、渋みがほとんどなくシャープな酸を感じさせるのが特徴となります。ベリー系ではない、果実やフレッシュな香りと酸。渋みの少ない軽快な飲み心地だったら、白ワインと判断してもいいかもしれませんね。(樽熟成を経た白ワインは別の機会に…)
ワインとシンプルに対峙する日を!
ワインについて詳しいと思っているほど、赤ワインと白ワインの基本を無視して飲み続けてしまっている傾向があります。
有名な銘柄だから、生産地に行ったことがある、有名ソムリエと知り合い…。こういった要素も重要ですが、まず上辺のテイスティングではなく、ただシンプルにワインと対峙する時間をつくることも必要です。
赤ワイン、白ワインの違いをしっかりと理解するだけで、いつも飲んでいるワインの味わいが必ず変わってくるはずです。ぜひ、TYCのワインを使って赤ワインと白ワインの特徴を飲み比べてみてください。